空の巣をまもっています

帰ってきたときに、いつでも、いつもの”おかえり”を言いたくて

抗がん剤治療を開始

夫のがんは
「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫ステージ4」
というものです


血液のがんではステージ4は末期という意味ではないようです
だから悲観することはないようです
血液のがんは抗がん剤治療の効果が得やすいタイプらしいとのことです


ただし
血液のがんは治るか治らないかの2択だそうです
それはそれで
かなり冷酷な宣告ですよね


それはつまり抗がん剤治療が
効果があるかないかということです


夫の抗がん剤治療は
Pola-R-CHP療法
という、昨年夏に初回治療として承認されたばかりの治療法が採用されました
従来の治療法に新しい薬をプラスアルファする感じみたいです


入院してすぐにまずはホルモン剤の投与があり
5日後に点滴による抗がん剤治療が始まりました
と言っても
1日だけ点滴して
あとは様子を見るという治療です
3日後にもう一度点滴をして3週間後にまた点滴という繰り返しを
3週間ごとに6クールプラス2クールの24週間をかけて治療します


その間に色々な副作用が出現します
抗がん剤は
がん細胞だけではなくて健康な細胞にもダメージを与えるそうです

退院してすぐに再入院

手術後、患部の傷口は順調に良くなりましたが
高熱は全く改善しません
まあ、そうですよね
腫瘍は残ったままなんだし
血液のがんなので
病気は全身に回っています


首のしこりは
夫自身でもわかるくらい大きくなっています
元々は虫垂の腫瘍なのに
広がっています
この時点では
まだ根本的な治療に入っていません
対症療法で抗生剤で熱を防いでいるだけです


手術から10日後にやっと退院することになりました
高熱は下がらないままでしたが
もう外科的な問題はなくなっています
虫垂の炎症による高熱は
リンパのがんが治らないと改善されることはありません


退院の翌々日に血液内科の外来が予約されました
それくらい急を要するということです


血液内科では
もう一度血液検査と骨髄採取を行なって
5日後に入院することになりました
今度こそ
治療ができます
いわゆる抗がん剤治療で化学療法というカテゴリーです


退院して1週間でまた入院となりました
つかの間
家で食事をとりましたが
夫はあまり食欲がなかったです
高熱と解熱剤で体は弱り切っていました
満身創痍とは今の夫の状態なんだと感じました
悲しかったです


夫の気持ち、わたしの気持ち

先生は「悪性リンパ腫」とはおっしゃいませんでした
リンパ節に問題がある
という表現でした


その宣告を受けた時の夫の気持ちはどうだったのでしょうか
感情を表に出さなかったので
わかりません


とりあえず
寝耳に水
だったことは夫もわたしも同じでした


とにかく手術して
原因を調べてもらえるんだ
という安心感だったかもしれません


泣いたり、取り乱したり
ドラマのワンシーンみたいな状況ではありませんでした
先生は淡々と事実を話して
わたしたちはその言葉通り受け止めていました


わたしは
リンパ節、腫瘍マーカー、PETの結果画像で
リンパのがんだということを確信しました
間違いであってほしいという望みが
ほぼないこともその時に理解しました


先生はやんわりと
今は治療が確立しているから
昔と違って治らない病気ではありません、とおっしゃってくれました


あまり覚えていないのですが、わたしは多分
泣いている暇はない
と強く意識したと思います


帰宅後すぐに調べました
夫の様子や、症状などから
多分これだという病名を推測しました
(そしてその推測は病名やステージまで当たりましたが
前向きな予測ではないので全然嬉しくなかったです)
確かに今は不治の病ではなくなったらしい
けど夫はかなり悪い状態のようです


真っ暗です


だって
夫は
いつも元気なはずだったのだから
元気で留守ばかりの鳥だったのだから