空の巣をまもっています

帰ってきたときに、いつでも、いつもの”おかえり”を言いたくて

おにぎり持参でがん治療3回目

夫は退院して3日目くらいから
散歩に挑戦しました


いきなりジョギングしたいと言いだしたので
全力で止めました
そうは言っても走れなかったでしょうけど


近くのコンビニに行くのもやっと
マンション前の数段の階段も
少しふらつくと言っていましたから


病院では
リハビリの先生から筋力運動を指導されて
筋トレもしていたし
意識して院内をうろうろしていたようですが
それでも実生活に比べたらわずかなものです


まずは近くの公園まで
そして最寄りの駅まで
ゆっくりでいいから


それがクリアしたら
少し早めに歩いてみよう
という感じです


自分では早足のつもりだったのに
女性に追い越されてしまった、、、と
悔しがっていました


がん治療当日までには
駅まで歩くことができたので
最寄りの駅まで歩いて通院することにしました


点滴はまる1日なので
昼食は点滴しながら食べることになります
「何か好きなものを買って食べたら?牛丼とか」と提案したのですが
食べやすいおにぎりを持って行きたいとのこと


「じゃあコンビニで好きなものを買ったら?」
(たまには手作りではなくて外メシの方が気分転換になるのでは?
というか、作りたくない笑)
と言いましたが
渋っていたので
薄味の炊き込みご飯を作って
一つ一つ味を変えて(梅、昆布、野沢菜)3個作り
水筒と一緒にもたせました


わたしの出勤時間より朝早く出発し
わたしより遅く帰宅しました
帰り道も、駅から歩いて帰ってきたそうです


治療中のアナフィラキーショックもなく
気分が悪くなるようなこともなく
無事に治療は完了したようです


そして自分の足で往復できたことが
わたしにも夫にも
本当に嬉しいことでした
次は副作用がどのくらい出てくるか、です

日常のありがたさをしみじみ感じます

夫が突然の腹痛で病院に行き
即日入院し手術しがん宣告を受けてから
4ヶ月になります
やっと退院し
今は特に問題なく生活しています
来週は抗がん剤治療第3回を控えています


頭髪や眉、髭はほとんどない状態で
入院前に比べたらとても痩せているし
わたしよりも歩みは遅く
きっと駅まで歩くのも大変なくらい
体力も落ちました
薬も
一粒も飲んだことがなかったのに
今はたくさんの種類を飲んでいます


でも
家にいて
一緒にテレビを観て笑ったり泣いたり
感想を言い合ったり


職場の愚痴をちょっと聞いてもらったり


何より
一緒にご飯を食べて
「おいしいなら美味しいって言ってよー」とか
文句を言ったり


そんな当たり前の日常の暮らしが
できるようになったことが
泣きたいほどありがたいです


一時は
夫は死ぬのかな?
このまま寝たきり状態で衰弱していくのかな?と
そればかり心配で
今までの暮らしに戻れるなんて考えられなかったのです


今も重病人なのは変わりないけど
それでも日常の生活を取り戻しつつあります
次の治療が終わって
今のように過ごせるなら
家事を分担したり
散歩や外出にもトライしてもらおうと思っています


いつもの暮らしが
こんなに嬉しくてありがたいなんて
失った時に初めて実感するものなんですね

自宅療養で悩んだこと

退院できたことはとても嬉しいことでしたが
抵抗力が落ちている夫を
健康(健康な状態ではないのだけど)なまま
生活してもらうにはどうしたらいいか
気を遣いました


まずは室温
病院はかなり暖かいです
わたしは寒がりで
滅多に汗をかかない人間ですが
面会のたびに汗をかいていました
外に比べて暖かすぎるのです


自宅でこの温度をどの部屋も維持するのは
ちょっと難しいことでした
リビングや寝室だけならできるとしても
トイレも洗面所も廊下も24時間同じ温度はムリ


これは慣れてもらうしかない
病院ではパジャマ一枚で過ごしていた夫ですが
スウェットやフリースを着てもらい
厚着で対応するしかありません


夫はお気楽で
「そんなに気にしなくても大丈夫!」と
言うのですが
免疫力の低下した病人を預かる身としては
心苦しいところです


夫が少しでも薄着でいると
「カーディガンを羽織って!」とか
「寒くなくても一枚多めに着てよ」とか
薄着警察になってしまいました


タオルやリネン類はできるだけ別々に使用し
毎日全部取り替えて洗濯(まあこれはいつものことですが)


食事は
食材は自然のもの、無添加のものを
冷蔵庫にたくさん入れておいて
朝、昼は夫自身で準備
夕食はわたしが準備するという感じにしました


平日はわたしが出勤するので
わたしが夫の分を準備するのは難しいからです
無理すれば準備できますが
きっとわたしが倒れてしまう
無理しないで自分でやってもらうことにしました


その方が、夫の筋力維持に繋がるし
「しなければいけない」という仕事があった方が
いいと思ったからです
夫も快く承諾して
楽しく工夫して作っているようです


ただし、それらの食材を切らさないように
気をつけながら購入するのは割と面倒だし重いし
仕事帰りに買い物するので肩こりになりました


しかも朝昼は夫は好きなものを食べているため
栄養は度外視です
とにかく体重を増やしてもらいたいので
あれこれと口出しするのはがまんです


せめて夕食をバランスよく野菜多めに
塩分に気をつけつつ
高タンパク高カロリーを意識して
献立を考えるのは
今まで一人で気楽に暮らしていた
わたしには
慣れるまでちょっと気の重い仕事です


また高タンパクはいいのですが
高カロリーの食生活のため
一緒に食事しているうちに
わたしはせっかく痩せたのに(?)
また体重が戻ってしまいました
でも体力維持のため、ある程度の体重維持も必要かな?
と自分に言い訳しています